TIME関数 - 時間計算の基本を理解する [Excel関数リファレンス]

 

[書式] TIME(<時>,<分>,<秒>)

 

[機能] <時>、<分>、<秒> の数値をもとに、その時間のシリアル値を返します。

      返り値は、0 以上 1 未満の数値(すなわち24時間未満のシリアル値)となります。

 

<時>


 時を 0 ~ 32767 の数値で指定します。ただし 23 を超える値を指定すると、24 で割った

 余りの数値を指定したものとみなされます。
 

<分>


 分を 0 ~ 32767 の数値で指定します。ただし 59 を超える値を指定すると、時と分に

 換算されます。
 

<秒>


 秒を 0 ~ 32767 の数値で指定します。ただし 59 を超える値を指定すると、時と分と秒

 に換算されます。
 

[引数]

 


 

●●● 時間の計算 = 小数の計算 ●●●

 

日付は、1900年1月1日を  「1」  とした連番、いわば整数でした。

これに対して時間は、24時間を 「1」  とした小数であらわされます。

 

どうでしょう、この仕組み、とても論理的だと思いませんか?

日付の1日分は 「1」。 時間の24時間分も 「1」 なのです。

 

ですから、たとえば

    「2009年1月1日の正午」

という日時は、

    「39814.5」

というシリアル値であらわすことができます。

 

実際にセルに 39814.5 という数値を入力し、表示形式を 「2001/3/14 13:00」 などにしてみ

れば、このことが確認できます。

date関数1_pre0.jpg

39814.5 という数値が、「2009/1/1 12:00」 という表示に変わるはずです。

 

つまり、時間も日付と同様、シリアル値を表示形式で別の姿で見せているだけなのです。

 

 

さて、日時ではなく、単純に時間や時刻をあらわす場合には、整数部分はゼロ、すなわち

    0.xxxx

といった小数であわらします。

 

たとえば1時間は、1/24 ということですから、

    0.041666・・・

になります。

6時間なら 0.25 、12時間なら 0.5 となります。

 

時刻も同様です。午前1時は 0.041666・・・ 、6時は 0.25 、12時は 0.5 ということになります。

 

ここまでが、Excelで時間を扱う場合に知っておかなければならない、基本中の基本です。

 

 

●●● TIME関数を試してみよう ●●●

 

TIME関数を使って、時間のシリアル値についてもう少し見ていきましょう。

 

TIME関数は、<時>、<分>、<秒> の数値を計算元として、時間のシリアル値を求める

関数です。

次のシートのセルB1、B2、B3 に入力された時分秒の値から、TIME関数で時間のシリアル

値を求めてみます。 

 

time関数1_1.jpg

(1) セルB6 に、次の計算式を入力する。

   =TIME(B1,B2,B3)

 

すると、セルには 「12:00 PM」 と表示されました。

 

先ほど、12時のシリアル値は 「0.5」 であると言いましたが、別のものが表示されています。

理由はもうわかりますね。 これも、「表示形式」 のしわざです。

 

確認のため、セルB6 の表示形式を「標準」にしてみましょう。

time関数1_2.jpg

(1) セルB6 を選択。

(2) [書式]メニュー から [セル] を選択。

(3) [表示形式]タブ の [分類] から 「標準」 を選択。

(4) [OK]をクリック。

 

すると、確かに 「0.5」 となります。 

time関数1_3.jpg

 

つまりこのセルは、「0.5」 という計算結果に「h:mm AM/PM」という表示形式が設定され

たことで、「12:00 PM」 という時刻が表示がされていたのです。

 

こうしたの表示形式の設定は、Excelが自動的におこなっています。 セルに TIME関数が

入力された瞬間、「ここの表示は時間にすべきだ」とExcelが判断して、自動設定されたの

です。

もし別のスタイルの表示がよければ、他の表示形式を自分で設定するとよいでしょう。

 

 

●●● 時間の引き算、足し算 ●●●

 

TIME関数は以上です。 ここからは、前回のシートを拡張した次のようなシートを作りながら、

時間の計算をしてみましょう。

 

このシートを作るには、時間関数は何も使いません。 必要なのは

  ・引き算

  ・足し算

  ・適切な表示形式の設定

だけです。

時間計算1_1.jpg

 

 

ではまず、計算元となるデータを入力していきます。

セルC6 には

    12:00

と入力して[Enter]キーを押します。 セルD6 も同様に 18:00 [Enter] とします。

 

するとセルには、入力したとおりの時刻が表示されます。

でもこれも、実際に入力されているのはシリアル値です。 表示形式を標準にすると、それぞれ

0.5 と 0.75 であることがわかります。

時間計算1_2.jpg

データを入力した瞬間、セルにはシリアル値が入力され、同時に 「h:mm」 という表示形式が

自動設定されたのです。 

 

 

計算元のデータが入力できたら、E列に計算式を入力していきます。 時間の計算といっても、

難しいものではありません。 ただの引き算です。 

時間計算1_3.jpg

(1) セルE6 に、次の計算式を入力する。

   =D6-C6 

(2) セルE6  の計算式をセルE7~E15 までコピーする。

 

これだけで、「終業時刻」から「出勤時刻」を引いた、「勤務時間数」を計算することができます。

 

 

では次に、セルE17 に、勤務時間数の合計を計算してみましょう。

時間計算1_4.jpg 

(1) セルE6 に、次の計算式を入力する。

   =SUM(E6:E15) 

 

ところが・・・・、計算結果をよく見ると、間違っています。 いったいどこがいけないのでしょ

うか。 本来なら、「48:25」 となるはずなのですが。

 

さて、気づいた方もいらっしゃるかもしれませんね。 48:25 が 0:25 。もしかすると、24時間

を超えた部分が表示されてないのではないか・・・と。

 

計算式を入力した際、このセルには「h:mm」という表示形式が自動的に設定されたようです。

実は、 h という書式記号は、シリアル値の整数部分、すなわち24時間を超えた部を無視

する仕様なのです。

 

24時間を超えた部分も含めた時間を表示するには、 

  [h]

という書式記号を使います。 

 

それでは、このセルに適切な表示形式を設定してみましょう。 

時間計算1_5.jpg

(1) セルE17 を選択。

(2) [書式]メニュー から [セル] を選択。

(3) [表示形式]タブ の [分類] から 「ユーザー定義」 を選択。

(4) [種類] のテキストボックスに、次のように入力する。

   [h]:mm

(5) [OK]をクリック。

 

すると次のように、正しい結果が表示されます。 

時間計算1_6.jpg

 

 

さて、ここでも最後に、時間が表示されているセルの正体を見てみましょう。

C列~E列の表示形式を「標準」に設定してみると、次のようになります。

date関数1_10.jpg

 

思いっきり小数ですね。 これらの数値が、セルが出力している実際の値なのです。

 

 

今回は、リファレンスといいつつも、TIME関数の解説はちょびっと。 時間のシリアル値

を理解するためのダシでしたね。。。